今回は、ラジオ番組の聴取率についての解説です。
ラジオでは聴取率の発表で「単独首位」と、テレビの視聴率発表では見かけない『単独』という言葉をよく使います。
なぜラジオでは『単独』と呼ぶのでしょうか?
ラジオの聴取率調査方法
まずはラジオ番組の聴取率調査方法、テレビで言う「視聴率」の調べ方について説明します。
テレビの視聴率というのは、テレビに視聴している番組を計測する機械を取り付けて調べます。
そのため、リアルタイムで視聴率を正確に計測できます。
テレビの視聴率がニュースとして取り上げられる場合、放送日の次の日に「視聴率○○.○%」と正確に出るのはそれが理由です。
一方、ラジオで聴取率を調べる場合、機械を設置して計測するという手法が取れません。
ラジオは車の中や移動中に聞くことが多く、カーラジオや小型ラジオに機械を設置することができないのが理由です。
そこで、聴取率はランダムに選ばれた家庭に聴取率調査書というものが送付され「実際に聞いた番組にペンでマークしていく」というアナログな方法で調査が行われます。
さらに、毎日聞いた番組をペンでマークしてもらうというのは無理な話ですので、ラジオの聴取率調査は数ヶ月に1回くらいしか行われません。
こういうシステムになっていますので、テレビと違ってラジオの聴取率というのは「けっこうアバウトな結果」でしか出ないのです。
ラジオの聴取率は差が出にくい
「2月度首都圏ラジオ個人聴取率調査」が3月18日に発表され、TBSラジオが0.8%で2001年8月以降、118期連続の1位を獲得した。ニッポン放送とJ-WAVEが、0.7%の同率2位で肉薄している。
上記のように、ラジオの聴取率というのは各局、各番組ごとでほぼ変化がありません。
平均してだいたい1%くらいです。
超人気番組でも2~3%の聴取率です。
テレビ番組が20%くらいの視聴率を取っている中、ラジオ番組の聴取率は1%くらいです。
そのため、ラジオの聴取率はほとんど差が出ないのです!
ニッポン放送は24日、4月19日から24日に行われた『ビデオリサーチ首都圏ラジオ聴取率調査』において、お笑いコンビ・オードリーがパーソナリティーを務める『オードリーのオールナイトニッポン(ANN)』(毎週土曜 深1:00)が、2016年2月度調査以来、31回連続で単独首位を獲得したと発表した。
さて、聴取率に関するニュースを見てみると、このように「単独首位」と書かれていることがわかります。
ここまで説明してきて、もう『単独』の意味がわかったかと思います。
そうです、ほとんどの番組で聴取率が一緒になって「同率首位」になることが多発しているんです!
聴取率「0.7%」でオールナイトニッポンとJUNKが同率首位とか、そういうことがめちゃくちゃに多いんです!
ですので、ラジオでは『単独首位』と記載して、「本当に聴取率で首位になったんだよ?」ということをアピールするわけですね。
ラジオ番組はスポンサー(CM)がつくことで収益を得ています。
スポンサーとしては自社の商品をCMで宣伝し、多くの人に商品を知ってもらいたいわけですから、よりリスナーが多い番組のスポンサーになりたいと思っています。
だから単独首位をアピールすることで、番組にスポンサーさんがついてもらいやすいようにしているわけです!